皆さんこんにちは。
今回は SR400 Final Edition のリアホイール脱着作業 について解説していきます。
リアホイールの取り外し・取り付けは、
- タイヤ交換
- ブレーキシュー交換
- スプロケット交換
など、リア周りのあらゆるメンテナンスに直結する基本作業です。
正しい手順を知っておくことで、スムーズかつ確実に作業を進められるので、ぜひ参考にしてみてください。
準備する工具・用品
工具類
- トルクレンチ（～130Nmが測れるもの）
- ラチェットレンチ
- レンチ（10・12・14・17・22mm）
- ソケット（10・12・14・17・22mm）
- スパナ10㎜（チェーンアジャストロックナット用）
- プラスドライバー（アクスルシャフトの回り止め用）
- 定規（チェーンの張り調整時に使用）またはスケール
- ゴムハンマーまたは樹脂ハンマー
- ウエスや段ボール（チェーンや部品の仮置き用）
- グローブ、ウエス（汚れ対策）
ケミカル類
- グリス（アクスルシャフトやカラーに塗布）
- パーツクリーナー（清掃用）
SR４００リアホイールの取り外し手順
① 車両を安定させる
- 平坦で安全な場所に停め、センタースタンドを使用。
- 必ずリアホイールが浮いた状態にしましょう。
② 必要に応じてマフラーを外す
- 純正マフラーはアクスルナット付近のクリアランスが狭く、工具が干渉して傷がつく恐れあり。
- 先に外しておくと作業がスムーズ。
- 社外マフラーの場合は外さなくても大丈夫な場合もあります。
👉 [マフラーの脱着手順はこちら]
https://ezomemo-blog.com/sr400-muffler-install-remove/?preview_id=582&preview_nonce=8eb09881ff&preview=true&_thumbnail_id=606
③ ブレーキロッドを外す
- 調整用のアジャスティングナットを外し、ロッドとカムレバーを分離。
- ピンやスプリングも同時に外れるので紛失注意。
- トルクロッドは外したら、作業の邪魔にならないよう下に下げておきます。
④ トルクロッドを外す
- トルクロッドのナット・ワッシャー・セルフロックナット（12ｍｍ）を外す。
- トルクロッドはブレーキパネルが回転しないようにする重要部品。組み付け順を必ず覚えておきましょう。
⑤ アクスルナットを外す
- チェーン側の穴にプラスドライバーを差し込み回り止め。
- アクスルナット（22mm）を緩めて外し、ワッシャーと一緒に保管。
⑥ アクスルシャフトを抜く
- 固着している場合はナットを仮付けし、ゴムハンマー等で軽く叩くと抜けやすい。
- シャフトを抜く際はホイールが落ち込むので、足の甲で軽く支えておくと安全。（私はタイヤのサイズを大きくしているのでタイヤの下に板を引きました）
- ナットを外したらシャフトを引き抜く。
⑦ チェーンアジャスターを外す
- このタイミングで左右のチェーンアジャスターを取り外す。
⑧ ホイールを外す
- チェーンをリアスプロケットから外す。
チェーンは必ずウエスや段ボールの上に置く（直置きは砂やゴミを巻き込みNG）。
- ホイールを後ろに転がして取り出す。（ブレーキパネルを落とさないよう注意）
⑨ ブレーキパネル等を外す
- ホイールと一緒に外れるため落下注意。
- カラーやカムレバーのピンなど、小物部品も忘れず取り外し。
👉 ここまででリアホイールの取り外しが完了です。
スイングアームＯＨ・ブレーキシュー交換等、目的の作業を行ってください。
リアホイールの取り付け手順
① 部品を準備
- ホイールに ブレーキパネル・カラー をセット。
- アクスルシャフトには グリスを塗布。
- チェーンアジャスターは向きを確認しておく
② ホイールをセット
- タイヤスイングアーム間にセットし、スプロケットにチェーンを掛けておく。
- 左右スイングアームエンドにアジャスターをセットしておく
- 足の甲等で支えながらアクスルシャフトを挿入。（私の場合は板を下に入れました）
※作業中ホイールからカラーやブレーキパネルが落下しないよう注意
③ アクスルナットを仮締め
- ワッシャー を忘れずに入れて、アクスルナット（22ｍｍ）を仮付け。
※この時点ではまだ本締めせず、チェーン調整のため、緩んだ状態にしておく。
④ トルクロッドを取り付け
- ブレーキパネル側にトルクロッドを取り付ける。
- ボルトをパネルの裏から差し込んで、ワッシャーとセルフロックナットを仮付け。
チェーン調整用にこちらも緩んだ状態に。
※こちらでブレーキパネルの位置決めとなるので、最優先でこちらを固定します。
⑤ ブレーキロッドを取り付け
- グリスアップしたピンを、カムレバーに差し込み、ロッドにスプリングを装着。
- ブレーキペダルを押し下げながらロッドをピンに差し込み、ウイングナットを仮止め。
チェーン調整とブレーキ調整
リアホイール取り付け後は必ず以下を実施：
- チェーンの張り調整
- リアブレーキの遊び調整
👉 チェーンやリアブレーキの調整方法は別記事を参考にしてください。
https://ezomemo-blog.com/sr400-chain-tension-adjustment/?preview_id=643&preview_nonce=4f98bea618&preview=true
調整が終わったら、再度ボルトの締め付けを確認しましょう。
締め付け規定トルク
- ホイールアクスルナット：130Nm
- トルクロッドテンションバーナット：19Nm
- アジャスティングボルトロックナット：16Nm
マフラーの取り付け
マフラーを外した場合は最後に取り付けます。
👉 脱着方法は別記事を参考にしてください。
https://ezomemo-blog.com/sr400-muffler-install-remove/?preview_id=582&preview_nonce=8eb09881ff&preview=true&_thumbnail_id=606
最終確認・試運転
- 後輪を手で回してスムーズに回転するか確認
- チェーンの張りを再確認
- ブレーキの効き具合・引きずりがないか確認
- 実際に低速で試走し、異音や挙動の異常がないか確認
👉 この確認を怠ると、走行中のトラブルに直結します。
まとめ
SR400のリアホイール脱着は、一見大掛かりに思えても、手順を押さえれば難しくない作業です。
特に重要なのは以下の5点：
- 工具を事前に揃えておく
- 外した部品は順番通りに保管する
- グリスアップと清掃を忘れない
- 規定トルクで確実に締め付ける
- 最後に必ず試運転して安全確認
リアホイールは走行の安全に直結するパーツ。
丁寧に、そして慎重に作業を進めましょう。
