【SR400】燃料タンクの取り付け・取り外し手順を徹底解説(FIモデル対応)
皆さんこんにちは。
今回は SR400 Final Edition(FI) の燃料タンクの取り付け・取り外し手順 について解説していきます。
FI(フューエルインジェクション)モデルのSR400は、キャブ車と比べてタンク周りの構造が複雑です。特にホース類やカプラーの接続が多く、作業スペースが狭いため、正しい手順と慎重な作業が求められます。
この記事では、実車を使って 写真付きでわかりやすく手順を紹介 しています。これからタンク脱着作業に挑戦する方でも、安全に進められる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
なお、ガソリンやホース類を扱うため危険も伴います。整備に自信がない場合は、無理をせず専門業者に依頼することを強くおすすめします。
自分で整備する場合は、あくまで自己責任で慎重に作業を進めてください。
準備する工具・用品
工具類
ホース関連の工具は無くても一般的ななペンチ等で作業自体は可能ですが、用意しておくと作業が格段に楽になります。参考までにリンクを貼っておくので、できれば事前に準備しておくことをおすすめします。
- トルクレンチ
- ラチェットレンチ
- レンチ(12mm)
- ソケット(12mm)
- L字ロングノーズプライヤー(ラジオペンチ)(奥まったホースバンドの脱着に重宝します)
- ホースプライヤー(奥まったホースの脱着に重宝します)
- ホースクリッププライヤー(ホースバンド脱着作業が楽になります)
- 樹脂製の内装剥がし等(ホースを外すのに便利です)
- 空のペットボトル等(ホース内のガソリンを受ける物)
- 18mm程度の厚みの板(タンクとフレームの隙間確保用)
参考までに、私がこの記事で使っている板のサイズは18mm×45mm×220mmです。 - 養生テープ
- グローブ、ウエス
- ヘッドライト(あると便利)
ケミカル類
- パーツクリーナー(清掃用)
交換推奨部品
- ホースバンド類(劣化や緩みがあるものは交換推奨)
- フューエルホースのバンド(90467-10135)
- フューエルポンプのブリーザーホースのバンド(90467-160A2)
- タンク上部のブリーザーホースのバンド(旧品番90467-09006 新品番90467-090A2)
- プレッシャーレギュレーターホースのバンド(90467-12003)
- フューエルゼンダーカプラーのバンド(90464-16001)
- ホース類(ホースに硬化や亀裂等があれば交換)
ホース脱着時の基本ポイント
1. 無理に引っ張らない
ホースを強く引っ張ると内径が狭くなり、さらに外しにくくなります。劣化したホースは亀裂や裂けの原因にもなるため、根元を軽くねじって固着をほぐしてから外しましょう。
さらに、傷が付きにくい樹脂製の内装剥がしなどを使用し、ホースを押し出すようにして取り外すとより効果的です。
2. 確実に奥まで差し込む
取付時は必ずホースを奥まで差し込み、ガソリン漏れや走行中の脱落を防ぎます。最後に固定バンドを忘れずに締め、確実に固定されているか確認してください。
SR400 燃料タンクの取り外し手順
SR400(FI)の燃料タンクは、固定ボルト(12mm)をはじめ、フューエルホース・ブリーザーホース2本・プレッシャーレギュレーターのホース・フューエルゼンダーカプラーなどを順番に外すことで取り外せます。FIモデルはタンク周りのクリアランスが非常に狭いため、無理をせず、一つずつ丁寧に作業することが重要です。
①(可能であれば)タンク内のガソリンを抜く
サービスマニュアルでは、取り外し前にハンドポンプ等で燃料を抜くことが推奨されています。
難しい場合は、できるかぎりガソリン量を減らしておくと作業が楽になります。
②フューエルポンプ内のガソリンを消費する
- 燃料コックを「OFF」にする

- メインキーをON/OFFに3~4回程度繰り返し、コレクタータンク内の燃料を電磁ポンプで送り出す


- コックOFFのままエンジンを始動し、停止するまでアイドリングしてガソリンを消費

- エンジン停止後、忘れずにメインキーをOFFにする

③シート・左サイドカバーを取り外す
ホースやボルトへアクセスするため、最初にシートとサイドカバーを外します。


※詳しい手順は別記事で解説しています。
シートの脱着手順↓
https://ezomemo-blog.com/sr400-seat-installation-removal/
サイドカバーの脱着手順↓
https://ezomemo-blog.com/sr400-sidecover-installation-removal/
注意:シート取り外し後は、バッテリー上にウエス等を掛け、工具の接触によるショートを防止します。
④フューエルホースを燃料コックから取り外す
- 燃料コックが「OFF」であることを再確認

- 固定バンドをずらす


- ホースを外す際ガソリンが漏れるため、ウエスを用意しておく

- フューエルホースを取り外す


- ホースバンドは無くさないよう取り外しておく。
変形や緩みがあれば交換推奨
⑤フューエルホース内の燃料を抜く
- フレームにホースを固定しているホースホルダーからホースを外す
爪が車体内側を向いており外しにくいため、マイナスドライバーやペンチで取り外します。
- ホースの先端を空ボトルなどに向け、燃料を流し込む

- 燃料を出し切ったら、ホースをホースホルダーに戻す。取り付け時は爪を前向きにすると、次回の作業が楽になります。

- ペットボトルのガソリンの取り扱いには注意すること
推奨ではありませんが、私は燃料をタンクに戻しました
⑥フューエルポンプ側のブリーザーホースを取り外す

- プライヤーで固定バンドを緩める


- 燃料が少量垂れるため、ウエスを用意
- ホースを取り外す


- ホースバンドは紛失しないよう、必ず取り外して保管しておく
⑦タンク上部のブリーザーホースを取り外す

- そこまで複雑ではないが、ホースの取り回しの写真を撮っておくと安心

- プライヤーでクリップをずらす(ロングノーズプライヤーが楽)


- ホースを取り外す


- クリップをなくさないよう保管しておく

⑧タンク後方の固定ボルト(12㎜)を外す

- シート下、タンク後部の固定ボルト(12mm)を外す

- ワッシャーを紛失しないよう注意

- 作業スペースの隙間確保のため、18mm程度の厚みの板をタンク後方に挟んで浮かせる
参考までに、私がこの記事で使っている板のサイズは18mm×45mm×220mmです。


⑨フューエルゼンダーカプラー(燃料警告灯カプラー)を外す

- オイルホースと共締めされている固定バンドを外す
タンク下は見えにくいため、ヘッドライトなどで照らしながら、ホースやハーネスを傷つけないよう慎重に取り外します。
- ハーネスを引き出し、爪を押しながらカプラーを取り外します。
爪は奥まっているため、ロングノーズプライヤー(L字)を使うと外しやすくなります。
取り外し時は、必ずカプラー本体をつまみ、電線は引っ張らないよう注意してください。

- この部分を押して爪のロックを解除しながら引き抜くと取り外せる

⑩タンク下部のブリーザーホース(プレッシャーレギュレーター)を外す
ここが 難関ポイント です。

- 工具でフレームやタンクにキズが付かないよう、養生テープで保護しておくとよい

- 固定バンドを下側にずらす。ロングノーズプライヤーを使用すると作業しやすい

- オイルが垂れてくるため、あらかじめウエスを敷いておく
- ホースを取り外す。
クリアランスが非常に小さいためヘッドライト等を使用して、できる限り作業しやすい状態で行う
こちらも樹脂製の内装剥がしが重宝します。

⑪タンクを車体から取り外す
- すべてのホース・カプラーが外れているか確認
- 挟んでいた板を外して、タンク後方を持ち上げる


- SR400のタンクは前方のU字形の咥え部分が、フレームに取り付けられているゴム製のロケーティングダンパーに差し込まれてる構造。

前方フレーム部のロケーティングダンパーから後ろ方向へスライドしてタンクを抜く
- ダンパーから外れたら、ホース類を傷めないようゆっくり持ち上げて取り外す

タンクは必ず 火気厳禁・水平な場所 に保管してください。
コック部分を地面に直接当てないよう注意。

これでSR400の燃料タンクの取り外しは完了です。
SR400 燃料タンクの取り付け手順
基本は取り外しの逆順ですが、取り付け作業は外すよりさらに難しい ため、丁寧に行う必要があります。
①タンクを車体に仮固定する
- フレームに当てて傷つけないように、上からそっとタンクをセット

- 後ろから前にスライドさせるようにセット
タンク前部の咥え部分をフレームのロケーティングダンパーに差し込む


②ウッドブロックを挟んで作業スペースを確保
- 隙間確保用の板等でタンク後方を浮かせておくとホース類の接続が行いやすくなります。

- フューエルポンプのブリーザーホースをフレームの隙間からポンプ側に通しておく

③タンク下部のブリーザーホースを取り付ける(最難関)
- 取り外し時同様、テープ等で養生しておくと良い

- ニップル部に奥までしっかり差し込む。ホースプライヤーを使うと作業が楽になる。

ホースが多少ガソリンで塗れていると差し込みやすいと思います。
- (ホース全般ですが)差し込み不良があると燃料漏れ等の重大トラブルにつながるため、必ず最後まで差し込む

- 固定バンドを確実に取り付ける。こちらもクリアランスが小さく作業しにくい。ロングノーズプライヤー等を使用して作業すると楽。


④フューエルゼンダーカプラーを取り付ける
- フューエルゼンダー(燃料警告灯)カプラーを「カチッ」と音がするまで差し込む


- オイルホースと共締めで固定バンドを元通りに取り付ける


⑤タンク後方の固定ボルトを取り付ける
- スペース確保のための隙間確保用の板を外す

- ワッシャーを挟み、固定ボルト(12㎜)を規定トルクで締める。規定トルク:16 Nm


⑥タンク上部のブリーザーホースを取り付ける
- ホースの取り回しが変わらないよう注意

- 固定バンドをニップル部に忘れずに通しておく
(私はホースに通してますが、ニップル部に通しておいた方が取り付けやすいと思います。)
- ブリーザーホースをニップル部に取り付ける。
奥まっていて作業しにくいですが、しっかりくびれ位置まで差し込む

- 固定バンドも確実に装着。ロングノーズプライヤーを使うと作業が楽


⑦フューエルポンプ側ブリーザーホースを取り付ける
- 忘れずにフューエルポンプのニップル部に固定バンドを通しておく

- ポンプのブリーザーホースを曲がり根元まで奥深く差し込む

- 固定バンドを取り付ける


⑧燃料コックにフューエルホースを取り付ける
- ホースに固定バンドを忘れずに通しておく

- フューエルホースをコックのニップルに最後まで差し込む

- 固定バンドで確実に固定


⑨最終確認
- ホース・カプラーの取り付け忘れなし
- バンドの位置が正しいか(ニップルのストレート部分でしっかり取り付けてあるか)
- ボルトは規定トルクで締まっているか
- タンクとフレームの干渉・ホースが噛んでいないか
⑩エンジン始動チェック
- 最終確認後、燃料コックをON


- メインキーをON→燃料ポンプ作動音を確認

- エンジン始動
異音・燃料漏れ・回転異常などがある場合は、すぐにエンジンを止めて原因を確認してください。原因が分からない場合は、無理せずに専門業者に相談してください
⑪サイドカバー・シートを取り付ける
それぞれの取付方法は別の記事で解説しているので、そちらを参考に取り付けてください。
シート脱着手順↓
https://ezomemo-blog.com/sr400-seat-installation-removal/
サイドカバー脱着手順↓
https://ezomemo-blog.com/sr400-sidecover-installation-removal/
問題なければ、サイドカバーとシートを元通りに取り付けて燃料タンク取付け作業完了です。

まとめ
ということで今回は、SR400 Final Edition の燃料タンク脱着手順について解説しました。
FIモデルのタンク周りはキャブ車より構造が複雑で、限られたスペースに配線・ホースが密集しているため、初心者や整備に不慣れな方には難易度が高めです。無理に作業を進めると破損やトラブルにもつながるため、不安がある場合は専門業者に任せることを強くおすすめします。
とはいえ、バルブクリアランス調整やアクセルワイヤー交換など、タンクを外さないと行えないメンテナンス作業も多く、避けて通れないポイントでもあります。今回の手順を参考に、整備に挑戦したい方はぜひチャレンジしてみてください。自分の手で作業できる範囲が広がると、SR400をより深く理解でき、愛車との付き合いも一段と楽しくなります。
安全第一で、くれぐれも自己責任の範囲で慎重に作業してくださいね。これからも SR400 ライフを一緒に楽しんでいきましょう。