【SR400】スロットルチューブ・ワイヤーケーブルの注油手順を解説
皆さんこんにちは。
今回は SR400 Final Edition のスロットルチューブ・スロットルワイヤーのグリスアップ手順を、わかりやすく解説していきます。
スロットルは走行中に常に操作する非常に重要なコントロールです。使用を重ねると内部のグリスが少しずつ失われ、次第に動きが重くなっていきます。スロットルが重いと手が疲れやすくなり、細かなアクセル操作がしづらくなるなど、ライディングにも悪影響が出てしまいます。
さらに、スロットルチューブやワイヤーが油切れを起こすと動きが渋くなるだけでなく、最悪の場合はワイヤー切れや操作不能といった重大トラブルにもつながりかねません。
そこでこの記事では、注油に必要な工具と手順を順を追って解説します。定期的なメンテナンスでスロットル操作を軽く滑らかに保ち、快適なSRライフの参考にしていただければ幸いです。
こちらの記事はあくまでも注油・グリスアップの解説になります。
ワイヤーケーブルの交換に関しては、別の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。↓
https://ezomemo-blog.com/sr400-throttlewirecable-replacement/
準備する工具・用品
工具類
- オープンスパナ(10mm・13mm)
- プラスドライバー
- コンプレッサー&エアガン(清掃が便利)
- 養生テープ
- ビニールの袋(ワイヤールブを注油するのに使用。数枚用意しておくとよい)
- グローブ、ウエス(汚れ対策)
ケミカル類
- ワイヤールブ
※チェーンルブ等でも代用可能(※粘度が高すぎるとスロットルが重くなるので注意) - グリス
※スロットルチューブ用。粘度の高くないものを推奨 - パーツクリーナー(清掃用)
交換推奨部品
- スロットルホルダーのパンヘッドスクリュー(98507-05030)
SR400 スロットルワイヤーケーブル 注油手順
① スロットルボディ側からワイヤーを取り外す
- 戻し側(車体前側)/引き側(車体後側)を位置関係を確認する
取付けの際に間違えないよう写真を取っておくと安心
- 10mmオープンスパナを使用し、戻し側/引き側それぞれのケーブルホルダーにあるロックナット(10mm)を緩めます。


回り止めの影響でスパナが入りにくい場合は、先にアジャスティングナット(10mm)を緩めてから、ロックナットを緩めてください。

- ロックナットが緩んだら、ケーブルをケーブルホルダーからずらしておく


- ワイヤーのエンド部(タイコ部)をスロットルボディから外す




戻し側と引き側両方のワイヤーが取り外しておく
② スロットルホルダー側の分解
- スロットルホルダー側も当然、戻し側と引き側のケーブルが接続されている。
取付け時に逆に取りつけないよう、事前に目印をつけて写真を撮っておくと安心 - 13mmオープンスパナで中空ボルト(引き側・戻し側両方)を取り外す



- スロットルホルダー固定スクリュー×2本を外す
※ 初回は固く、ネジ頭をなめやすいので注意。押す力:回す力=7:3 が理想

ネジは無くさないよう保管しておくこと
- スロットルホルダーは上下に分かれる。断線の危険があるので、無理にこじらず慎重に分解する

- 白いスロットルチューブが見えるので、引き側・戻し側のワイヤーエンド部(タイコ部)を取り外す




③ スロットルワイヤーケーブルの注油
SR400のスロットルワイヤーは形状の都合上、一般的なワイヤーインジェクターが使用できません。
ワイヤーとアウターの隙間から直接スプレーして注油する力技な方法もありますが、確実にオイルを通すにはビニール袋を使った方法がおすすめです。
ただし、この方法は 粘度の低いケーブルルブやチェーンオイルのみ使用可能 なので注意しましょう。
事前準備
- スロットルワイヤーケーブルのスロットルボディ側エンド部をウエスで養生する


- 周囲にオイルや洗浄液が飛散しないよう、作業環境を整えておく
ビニール袋の取り付け
- ビニール袋の角を一か所、ワイヤーを通すために小さく切り込みを入れる


- 切り込み部分からハンドル側のワイヤー端を通す

- 隙間ができないよう、養生テープでしっかり固定する
※オイル漏れ防止のため、できるだけきつめに固定しておく
ケーブル内部の洗浄
- ビニール袋の中にパーツクリーナーをスプレーして洗浄液を溜める

- ケーブル内から空気が抜け、洗浄液が流れ込めば問題なし

- 反対側(スロットルボディ側)から洗浄液が出てくるまでクリーナーをつぎ足す
定期的にワイヤーをストロークさせると効果的。
- 洗浄液が十分に出てきたら、エアーガンで内部の洗浄液を排出する
エアーガンが無い場合は、多めにワイヤーをストロークさせて注油に移る
- この洗浄作業は、できれば数回繰り返すと効果的
袋が破れたり、ふやけて使えなくなった場合は新しい袋に交換する
ワイヤーへの注油
- ビニール袋の中にワイヤールブ(チェーンオイル)をスプレーして溜める

- ワイヤーをストロークさせると、ケーブル内部のルブが行き渡りやすくなり、より効果的です。

パーツクリーナーと同様に、反対側(スロットルボディ側)からルブが出てくるまで注油を続ける
- ワイヤールブが反対側から確認できたら、ケーブル内部への注油完了です。
引き側・戻り側両方のワイヤーケーブルも同様に注油作業を行いましょう。
④ スロットルチューブのグリスアップ
- スロットルチューブをハンドルから抜き取る

- スロットルチューブ内部やケーブルエンドの取り付け部をパーツクリーナーで清掃


- ハンドル側も同様に清掃

- ハンドルに薄くグリスアップ
※粘度の高いグリスを使用するとスロットルが重くなるのでNG
- スロットルチューブとスロットルボディのワイヤーエンド部取り付け部・ワイヤー溝にも軽くグリスを塗布


- 引き側・戻り側のワイヤーのエンド部(タイコ部)にもそれぞれグリスを塗布


- スロットルチューブをハンドルへ戻す

⑤ スロットルチューブにワイヤーを取り付け
- 引き側・戻し側を間違えないよう注意
- スロットルホルダー下部分に引き側・戻し側それぞれのワイヤーのエンド部分を通す

- スロットルホルダー下部分をセットして、スロットルチューブの溝にワイヤーを沿わせ、タイコを確実に溝へセットする


⑥ スロットルホルダーを取り付ける
- スロットルホルダーを上下で合わせる
※配線を噛んでいないか必ず確認
- ミラー取付ステー側へ寄せる

- +スクリュー2本を規定トルクで締め付け。規定トルク:3.5N·m
※ネジをなめさせないよう注意

- 中空ボルト(13mm)を引き側・戻し側ともに締め付け
※規定トルク不明のため一般的な締め付けで対応

⑦ スロットルボディ側のワイヤーを取り付け
- 事前に撮影した写真を確認し、引き側・戻し側を間違えないよう注意
- 引き側と戻り側それぞれ、ワイヤーを溝に沿わせて、エンド部(タイコ部)を確実にセット



- ケーブルホルダーへアジャスター部分をセットする

⑧ スロットルの遊び調整
- SR400のスロットルの遊び量規定値:3.00~6.00mm

- 必ず適正範囲に調整
※ 調整方法は別記事参照
https://ezomemo-blog.com/sr400-throttlegrip-freeplay-adjustment/
⑨ 最終確認(重要)
スロットルの遊び調整完了後、最終確認を必ず行います。
- ハンドル左右最大まで動かして、ワイヤーの突っ張り・引っかかりがないか
- スロットルを回したときの抵抗の有無、放したときのスムーズな戻り
- エンジン始動後、アイドリング回転数(1000〜1500rpm)が安定しているか
- スロットル操作に応じて回転が自然に上がるか
- 作業後の操作感や異音の有無
問題がなければ作業完了です。
まとめ
スロットルは常に触れているパーツでありながら、日常的に使っているため劣化や変化に気づきにくい部分でもあります。
しかし、グリスアップ後のスロットルは驚くほど軽くなり、まるで新しいバイクに乗り換えたような操作感を味わえます。
作業自体は手順を守れば難しいものではありません。
SR400を長く快適に楽しむためにも、ぜひ定期的にスロットルメンテナンスを実践してみてください。
快適な操作フィールは、安全性にも直結します。
あなたのSRライフが、これからも快適で楽しいものになりますように。