皆さんこんにちは。
今回は SR400 Final Edition のフロントホイール脱着手順について解説していきます。
タイヤ交換やフロントフォークのオイル交換など、フロント周りのメンテナンスでは必ずといっていいほど行う作業が「フロントホイールの脱着」です。
正しい手順を理解しておくことで、スムーズかつ安全に作業ができますので、ぜひ参考にしてみてください。
使用する工具・用品
工具類
- トルクレンチ(105Nmまで測定できるもの)
- ラチェットレンチ
- ソケット(19mm)
- オープンスパナ14mm(スピードメーターケーブル取り外し用)
- プラスドライバー(アクスルシャフトの回り止め用)
- ゴムハンマーまたは樹脂ハンマー
- メンテナンススタンドまたはジャッキ(センタースタンドのみでも可だが安定性向上のため推奨)
ケミカル類
- グリス(アクスルシャフト等に塗布)
- パーツクリーナー(清掃用)
SR400 フロントホイールの取り外し手順
① 車両を安定させる
- 平坦で安全な場所に停車し、センタースタンドを使用して車体を安定させます。
メンテナンス内容によりますが一定期間バイクを動かせなくなるため、作業場所には注意しましょう。
② アクスルナット(19mm)とワッシャーを外す
- 19mmソケットを使ってアクスルナットを外します。

- ナットの内側にはワッシャーが入っているので、紛失しないよう注意しましょう。

③ アクスルホルダーを緩める
- 左フォークエンドにあるクランプナット×2本を14mmレンチで「緩めるだけ」にしておきます。

④ フロントをジャッキアップ
- 安全のためフロントタイヤを軽く浮かせます。
- ホイールの脱着だけならセンタースタンドのみでも作業は可能ですが、その他のメンテナンスも行う場合はなおさらジャッキアップ推奨です。


私はこんな感じでジャッキアップしました。(あくまでも参考程度に…)
⑤ メーターギアケーブルを外す
- ホイール左側のメーターギアに接続されたメーターギアケーブルを、14mmオープンスパナで外します。


- ケーブルを外すとインナーケーブルが落ちてくる場合があるため、抜け落ち防止でテープで仮固定しておきましょう。


- 行う作業によってですが、フェンダーのガイドからも外しておくとよいです。

⑥ シャフトを抜いてホイールを取り外す
- ホイールの重みでシャフトに負担がかからないよう、足で軽く支えながらアクスルシャフトを抜き取ります。(私はタイヤサイズが大きいため、タイヤ下に板を挟みました。)

- 抜けにくい場合はシャフト穴にドライバーを差し込み補助。

- 樹脂ハンマーで叩く場合は、ナットを付けた状態で叩く ようにしましょう。ネジ山を傷める恐れがあります。

⚠️ 注意:ホイールを外した状態でフロントブレーキレバーを握らないように。
ブレーキパッドが閉じてしまい、組付け作業がやりにくくなります。
⑦ ホイールの付属部品を取り外す
ホイールを外したら、
- 左側:スピードメーターギア

- 右側:カラー

といった小部品を紛失しないよう取り外して保管しておきます。
これで取り外し作業は完了です。
部品をしっかり管理し、目的のメンテナンス作業を行いましょう。
SR400 フロントホイールの取り付け手順
① アクスルシャフトの清掃とグリスアップ
- 取り外したアクスルシャフトをパーツクリーナーで清掃し、グリスをたっぷり塗布します。

- 汚れやゴミが残っていないか確認しておきましょう。
② スピードメーターギア・カラーをセット
- 左側にスピードメーターギアを取り付けます。
メーターギアに二つの凹溝・ホイール側に二つの凸溝があり、位置が決まります。



- 右側にカラーをはめ込みます。

③ ホイールを車体に取り付ける
- ホイールを持ち上げ、ディスクローターをキャリパーの間に差し込むように挿入

- 同時に、左フォーク側のストッパーにメーターギアの溝を合わせます。


- 位置が決まったらタイヤの重みでシャフトに負担がかからないよう、足の甲で軽く支えながら、シャフトを挿入(私はタイヤの下に板を入れました)

- シャフトを挿入後、ジャッキをおろします。

④ アクスルナットを規定トルクで締め付け
- ワッシャーを入れてからアクスルナット(19㎜)を取り付け、規定トルクで締め付けます。規定トルク:105Nm
供回り防止で反対側はドライバーを差し込んで押さえると良い


⑤ アクスルホルダーを固定
- フォークエンドのクランプの向きを確認します。
下の➡マークが前方向に向いていることを確認。
少し見えずらいですが… - 左フォークエンドのクランプナット×2(14mm)を規定トルクで締めます。
- 締める順番は 前側 → 後側 の順。規定トルク:9Nm

- 後側にわずかな隙間がある状態が正常です。

⑥ メーターギアケーブルを接続
- ケーブルをフェンダーのガイドに忘れずに通しておきます。

- メーターギアにケーブルを取り付けます。(14mmレンチ使用。
締めすぎるとメーターが誤作動する恐れがあるため注意。規定トルク:4.5Nm
⑦ 最終確認
- タイヤを手で回してスムーズに回るか確認
- フロントブレーキの作動確認
- スピードメーターが正常に動作するか試走チェック
すべて問題なければ、作業完了です。

まとめ
今回は SR400のフロントホイール脱着手順 を解説しました。
ポイントは
- 作業順序を正しく守る
- 砂やゴミをかまないよう注意
- 規定トルクを守る
- グリスアップを確実に行う
フロント回りの整備で頻繁に行う作業なので、基本をしっかり押さえておくと今後のメンテナンスがぐっと楽になります。
安全第一で、確実な作業を心がけましょう。