皆さんこんにちは。

今回は、SR400ファイナルエディションのフロントブレーキホース交換作業について解説していきます。

ブレーキホースの交換は、以下のような場面で必要になる整備です。

  • ホースの経年劣化による交換
  • ステンレスメッシュホースへのカスタム
  • ハンドル交換に伴うホース長変更

SR400に標準装備されているゴム製ブレーキホースは、長年使用していると徐々に劣化が進みます劣化したホースは内部が膨張しやすくなり、ブレーキレバーを握った際の力が逃げてしまうため、ブレーキタッチの悪化や制動力の低下につながる場合があります。

安全に走行するためにも、定期的に状態を点検し、劣化が見られる場合は早めに交換を行いましょう。

ただし、ブレーキはライダーの安全に直結する重要な保安部品です。作業ミスはブレーキ性能の低下だけでなく、重大な事故につながる危険性があります。

この記事では、作業写真を交えながら、SR400のブレーキホース交換手順をできるだけ分かりやすく解説していきます。交換作業に必要な工具や部品、作業時の注意点についても紹介しますので、これから作業を行う方はぜひ参考にしてみてください。

※作業は自己責任となります。
ブレーキ整備に不安がある場合や、作業に自信がない場合は無理をせず、専門ショップや整備工場へ依頼することをおすすめします。

SR400ブレーキホースの交換時期や目安

基本的には1〜2年ごとに点検を行い、状態に応じて交換を判断します。

交換を検討する症状

  • フルード漏れがある
  • ホースに亀裂・ひび・硬化が見られる
  • バンジョーやボルトにがある
  • ブレーキレバーを握ったときに「フワフワ」した感触がある

この「フワフワ感」は非常に重要なサインで、ホース内部が劣化して膨張している可能性が高いです。
そのまま使用すると、ブレーキを握っても力が逃げる状態になり、制動距離が伸びてしまいます。

また、サービスマニュアルに明確な交換時期の記載はありませんが、

  • 4〜5年(車検2回に1回)

を目安に交換すると安心です。特に屋外保管の車両は劣化が早いため注意してください。

準備する工具・用品

ブレーキホース交換では、工具だけでなく消耗品や廃油処理用品まで一通り準備しておくことが重要です。

途中で不足すると作業が中断してしまうため、事前に揃えておきましょう。 

工具類

基礎工具

  • トルクレンチ
  • ラチェットレンチ
    ソケット
    (8・12mm)
  • レンチ(8・12mm)
  • プラスドライバー(リザーバータンクを開ける際に使用)
  • グローブ
  • ウエス(汚れ対策)
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ブレーキホース交換で使用する道具

  • シリンジとホース(フルードの抜き取りやエア抜き作業で必要)
    SR400のブリードスクリューのニップル径は約7.4mmです。ホースの内径は素材によってフィット感が異なるため、好みに合わせて用意してください。なお、筆者は手持ちの内径Φ6mmのガソリンホースを使用しました。
  • 容器やバケツ(抜き取ったブレーキフルードの回収や、お湯を入れるために使用)
  • 廃油処理箱(交換後の古いフルードの廃棄に使用)

ケミカル類

  • ブレーキフルード
  • パーツクリーナー(清掃用)

関連部品

SR400ブレーキホース取り外し作業手順

①車体を安定させる

  • 平坦で安定した場所に車体を設置し、センタースタンドを使用して車体を安定させる
  • ブリーザータンクのキャップが水平になるように、ハンドルを少し左に切っておく

②事前準備

  • ブレーキフルードが塗装面に付着すると塗装を傷める恐れがあるため、メーターやライト周辺、燃料タンク、ブリーザータンク周辺をビニール袋やウエスなどで覆い、しっかり養生する
  • ブレーキフルードはお湯で洗い流せるため、付着時にすぐ対応できるよう、お湯を入れた容器(バケツ)ウエスをあらかじめ用意しておく

③リザーバータンク内のブレーキフルード抜き取る

  • リザーバータンクのプラスネジ2本を、プラスドライバーを使用して取り外す
    ネジが固いことがあるため、ネジ頭をつぶさないよう注意しながら緩める。
    取り外したネジは紛失しないよう保管し、ネジ頭が損傷している場合は新品に交換する
  • ネジを取り外したら、リザーバーキャップを開ける
  • ダイヤフラムプレートリザーバーダイヤフラムを取り外す
    このとき、ブレーキフルードがこぼれないよう注意して作業を行う
  • ダイヤフラムに変形・劣化・破れがある場合は、必ず新品に交換すること
  • その後、シリンジスポイトを使用して、リザーバータンク内の古いブレーキフルードを吸い上げる
    吸い上げたフルードは廃油処理箱などに入れ、適切に廃棄する
  • リザーバータンク内のフルードを抜いたら、一度ダイヤフラムプレートリザーバーダイヤフラムをセットし、キャップを締めておく

④ブレーキホースとキャリパー内のブレーキフルードを抜き取る

  • ブレーキキャリパーのブリーダーキャップを取り外し、紛失しないよう保管する
    ブリーダーキャップが紛失していたり、破損があれば新品に交換してください。
  • レンチ(8mm)をあらかじめブリードスクリューに掛けておく
    ※この時点ではまだ緩めない
  • ブリードスクリューのニップル部にホースを取り付け、ホースの先端は廃油処理箱などの受け容器に入れておく
    ニップル径は約7.4mm。参考として、筆者は内径Φ6mmのガソリンホースを使用しました
  • 準備ができたらブレーキフルード抜き取り作業を行う

ブレーキフルードの抜き取り方法

  1. ブレーキレバーを握る
  2. レバーを握ったままブリードスクリューを少し緩める
  3. レバーを握り込み、フルード排出後にスクリューを締める
  4. レバーを離し、①〜③を繰り返す
  • ホースからフルードが出なくなったら、ブリードスクリューを仮締めし、ホースをニップル部から外しておく
    フルードが垂れるため、ウエスなどで受けること

  • レンチ8mmも取り外しておく

⑤ブレーキホースを取り外す

  • 取り外し作業に入る前に、ブレーキホースの取り回しを元通りに再現できるよう、全体の写真を撮って記録しておくと安心です
  • ブレーキホースホルダーを取り外す
    ホルダーはアンダーブラケット下フロントフェンダー部の2か所に取り付けられているため、それぞれの取付ボルト(8mm)を外す
  • ホルダーからホースを外し、ホルダーおよび取付ボルトは紛失しないようまとめて保管しておく
  • ブレーキキャリパー側のユニオンボルト(12mm)を取り外す
    ブレーキフルードが垂れるため、ウエスなどで受けながら作業を行います。
  • ユニオンボルトを取り外したら、ガスケット2枚も取り外す
    ガスケットは原則再利用不可のため、新品に交換。ユニオンボルトについても、劣化や損傷が見られる場合は交換してください。
  • 続いてマスターシリンダー側のユニオンボルト(12mm)を取り外す
    こちらも同様に、ガスケットユニオンボルトを取り外しておきます。
  • マスターシリンダー側のホース先端を傷つき防止のため、養生テープで保護
  • 車体から引き抜いてブレーキホースを取り外す

これでSR400のブレーキホースの取り外し作業は完了です

SR400ブレーキホース取付け作業手順

※本記事の作業写真では、ハンドル交換に伴い装着したステンレスメッシュホースを使用しています。純正ブレーキホースとは外観や長さが異なりますが、交換手順は基本的に同じです。

①マスターシリンダー側のブレーキホースを取り付ける

  • 取り外し前に撮影した写真を参考にしながら、新しいブレーキホースを元と同じ取り回しで車体に通す
    ブレーキホースホルダーには上下の向きがあります。ラバーブッシュが先端側に近い方を下向き(キャリパー側)にして取り付けてください。
  • バンジョーの曲がり方向を確認し、マスターシリンダー側のブレーキホースを取り付ける
    ユニオンボルト → ガスケット → バンジョー → ガスケット」の順にセットして、マスターシリンダーに仮締めする。
    ↑写真は社外ホースのため、バンジョーの向きは逆です。
    ※ここでは仮締めにしておきます。

②ブレーキキャリパー側のブレーキホースを取り付ける

  • バンジョーの曲がり方向を確認し、ブレーキキャリパー側のブレーキホースを取り付ける。
    ブレーキホースをキャリパーの突起部に合わせ、「ユニオンボルト → ガスケット → バンジョー → ガスケット」の順に組み付け

  • ブレーキキャリパーの突起部分にブレーキパイプが接触している状態で位置を合わせ、ユニオンボルト(12mm)を仮締めする
    ※ここでもまだ仮締めにしておきます。

③ブレーキホースホルダーを取り付ける

  • 事前に撮影した写真を参考にホースの取り回しを確認ブレーキホースホルダーを取り付ける
  • 取付けボルト(8mm)を規定トルクで締め付け固定する。ボルトは上下共通
    • フェンダー側:10Nm
    • アンダーブラケット側:規定トルク不明のため一般締め付けトルク
      (参考:筆者は約10Nmで締め付け)

④ブレーキホースを本固定する

  • マスターシリンダー側のユニオンボルト(12mm)角度を写真のように調整し、規定トルクで締め付ける
    規定トルク:30Nm
    ↑純正ブレーキホースを使用する場合は、写真のように角度を調整して取り付けます。なお、写真は社外ホース+社外ハンドルのため、取付け角度は純正と異なります。
  • 続いて、ブレーキキャリパー側も同様に、パイプがキャリパーの突起にしっかり接触していることを確認し、ユニオンボルト(12mm)を規定トルクで締め付ける
    規定トルク:30Nm

⑤ブレーキフルードの補充

  • 忘れずにマスターシリンダー周りを養生しておく
    作業中にブレーキフルードがタンクや塗装面に付着した場合はすぐにウエスで拭き取ること
  • キャップを開け、ダイヤフラムプレートリザーバーダイヤフラムを外す。
  • リザーバータンクに新しいブレーキフルード7〜8割程度まで補充する
    ※筆者は計量カップを使用していますが、こぼれにくさや安全性を考えると、シリンジなどを使って充填する方法がおすすめです。
  • 再度レンチ(8mm)をブリードスクリューに掛け、ニップル部へホースを接続する。ホースの先端は廃油処理箱などの受け容器へ入れておく。

⑥ブレーキフルードのエア抜き

ブレーキレバーの操作は必ずゆっくり行ってください。勢いよく握ると、ブリーザータンクからフルードが吹きこぼれる恐れがあります。

また、作業中はマスターシリンダー内のフルードを空にしないよう、こまめに補充してください。空になるとホース内にエアが入り、再度エア抜きが必要になります。目安として、フルード量がLOWERレベル付近に下がる前に補充しましょう。

エア抜き手順

  1. ブレーキレバーをゆっくり数回握る
  2. レバーを握った状態で、ブリードスクリュー少しだけ緩める
    (緩めすぎないように注意)
  3. フルードが出てきたら、さらにスロットルグリップまで届くまでレバーを握り込む
  4. 握った状態を保持したままブリードスクリューを締め、ブレーキレバーを離す
  5. ①~④の手順を繰り返す。
    エアーが出なくなり、フルードの色が新品同様になれば、フルードのエア抜きと入れ替え完了
  • 作業完了後は、ブレーキフルードをリザーバータンクの点検窓上部付近まで補充しておく

⑦ブリーダーを元通りに戻す

  • フルードを受けるためのウエスを用意。
    エア抜き用のホースレンチ(8mm)を取り外す
  • ブリードスクリューを規定トルクで締めつける
    規定トルク:6Nm
  • ブリーダー周辺をパーツクリーナーとウエスで清掃し、ブリーダーキャップを忘れずに取り付ける

⑧リザーバータンクを組み立てる

  • ダイヤフラムプレートリザーバーダイヤフラムを合わせて、リザーバータンクにセット。
  • リザーバータンクキャップをセットし、プラスネジ×2本をプラスドライバーで締め付け固定する
    規定トルク:1.5Nm
  • メーターやライト周辺や燃料タンク、ブリーザータンクなどの養生を取り外し、リザーバータンク周辺をパーツクリーナーなどで清掃

⑨最終確認

  • ブレーキレバーを握り、しっかりとした手応えがあるか確認
  • 車体を押しながらフロントブレーキの効きを確認(エンジン停止状態)
  • フルード漏れやにじみがないか確認

上記を確認後問題がなければ、低速で試走し最終チェックを行います

問題がなければSR400ブレーキホース交換作業は完了です。 

規定トルクまとめ

  • ブレーキホースユニオンボルト(上下):30Nm
  • ブレーキホースホルダー取付ボルト
    • フェンダー側:10Nm
    • アンダーブラケット側:一般締め付けトルク
  • ブリードスクリュー:6Nm
  • リザーバータンクキャップ取付ネジ:1.5Nm 

まとめ

ということで今回は、SR400ファイナルエディションのブレーキホース交換作業手順について解説してきました。

ブレーキホースはゴム部品のため、経年劣化や膨張によってブレーキの効きに大きく影響します。
そのため、定期的な点検と早めの交換を行うことで、安心・安全な状態を維持することができます。

また、ホースのカスタムやハンドル交換を行う際には、ブレーキホースの交換はほぼ必須となる作業です。
今回解説した手順やトルク管理を参考に、確実に作業を進めてみてください。

本記事が、あなたのSR400ライフの参考になれば幸いです。

ただし、ブレーキは重要な保安部品です。
少しでも不安がある場合や、整備に自信がない場合は無理をせず、専門のショップやプロに依頼することをおすすめします。

それでは、良きSRライフを。

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