皆さんこんにちは。

今回は SR400ファイナルエディションのカムチェーンテンショナー調整手順について解説していきます。

現代のバイクの多くは、カムチェーンの伸びに合わせてテンションを自動調整する機構を備えています。一方、SR400は40年以上前の設計を受け継ぐモデルで、カムチェーンの張りを手動で調整する必要があります。

カムチェーンは走行距離が増えるにつれて少しずつ伸びていくため、適正な張りを維持するには定期的な調整が必要です。

特に、エンジンから「カチャカチャ」「ジャラジャラ」といった異音が聞こえるようになった場合や、以前より始動性が悪くなったと感じる場合は、カムチェーンの張りが影響している可能性があります。

カムチェーンテンショナーの調整作業は、手順を守って行えば比較的難しい作業ではありません。この記事では、必要な工具から具体的な調整方法、作業後の最終確認まで、順を追って紹介していきます。

SR400のメンテナンスをご自身で行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事の作業は自己責任で行ってください。
整備に不安がある方や、作業に自信のない方は、無理をせずバイクショップなどの専門業者へ依頼することをおすすめします。

カムチェーンとは?

カムチェーンとは、クランクシャフトとカムシャフトの動きを連動させるチェーンです。

SR400では、ピストンの上下運動によってクランクシャフトが回転し、その動力をカムチェーンがカムシャフトへ伝えています。カムシャフトはバルブを適切なタイミングで開閉するため、エンジンを正常に動かすうえで重要な部品です。

カムチェーンは走行を重ねるにつれて少しずつ伸びるため、SR400ではカムチェーンテンショナーを使って定期的に張りを調整する必要があります。

カムチェーンテンショナーの調整時期について

カムチェーンの調整時期に明確な走行距離の指定はありませんが、

エンジンから「カチャカチャ」「ジャラジャラ」といった異音が聞こえる場合や、
バルブクリアランス(タペット)調整などの定期メンテナンスを行う際に、あわせて点検・調整するとよいでしょう。

SR400はカムチェーンの張りを自動調整する機構を備えていないため、適正な張りを維持するには、定期的な点検・調整が大切です。

カムチェーンが緩んだまま走行するとどうなる?

カムチェーンの緩みが大きくなると、エンジンから異音が発生したり、カムシャフトの駆動が不安定になったりする可能性があります。

また、カムチェーンやガイドなどの部品に余計な負担がかかり、摩耗を早める原因にもなります。

異音などの症状が気になる場合は、そのまま走行を続けるのではなく、カムチェーンテンショナーの状態を確認してみましょう。

準備する工具・用品

工具類

  • トルクレンチ
    ※テンショナー周辺はクリアランスが狭く、一般的なトルクレンチは使用できない場合があります。
  • ラチェットレンチ
    ソケット(27・22・10mm)
    ※テンショナー周辺はクリアランスが狭く、一般的なラチェットレンチ使用できない場合があります。
  • レンチ(27・22・10mm)
    ※27・22mmは車載工具でも代用可能ですが、トルクレンチを使用できないため、正確なトルク管理はできません。
  • マイナスドライバー(クリアランスが小さいため、短めのものを用意)
  • グローブ
  • ウエス(汚れ対策)

ケミカル類

  • パーツクリーナー(清掃用)

関連部品

SR400のカムチェーンテンショナー調整 作業手順

エンジン内部のクリアランスは温度によって変化するため、必ず完全に冷えた状態で作業を行います。目安としては、前日にエンジンを停止しておく程度まで冷えている状態が理想です。

①カムチェーンテンショナーのキャップを開ける

  • エンジン右内側にあるカムチェーンテンショナーキャップを確認
  • キャップ内部にオイルが溜まっているため、ウエスをキャップ下に用意しておく
  • カムチェーンテンショナーキャップ(27mm)をレンチ(車載工具でも可)を使って取り外す
  • キャップの内側にOリングがセットされているため、紛失しないよう注意
    Oリングが劣化・硬化・損傷している場合は新品に交換すること

②テンショナーの調整

調整状態の目安
テンショナー中央のボルト先端と、外側アジャスターの端面が面一(同じ高さ)になれば、適正な調整状態です。

アジャスターがテンショナーより浮いている、または沈んでいる場合は適正ではないため、調整を行いましょう。

※中央のテンショナーは調整用ではありません。回してしまうと調整状態が変わるため、必ずマイナスドライバーで固定したまま作業してください。 

  • アジャスター(10mm)が回らないようレンチで固定しながら、ロックナット(22mm)を緩める。
  • 外側アジャスター(10mm)にレンチを掛け、中央のテンショナーが回らないようにマイナスドライバーで固定する
  • 外側アジャスター(10mm)を回して面の高さを合わせる
    ※アジャスターが中央のテンショナーより高い場合は時計回り、低い場合は反時計回りに回して、両者の面が揃うように調整します。
  • 面が揃っていることを確認後、アジャスターが回らないようレンチ(10mm)で固定しながら、 ロックナット(22mm)を規定トルクで締め付ける
    規定トルク:38Nm

※周辺のクリアランスが狭く、トルクレンチが使用できない場合があります。筆者は車載工具22mmレンチで固定したため、正確なトルク管理はできていません。可能な限り規定トルク(38N・m)で締め付けてください。

  • ※ロックナット(22mm)を締め付けた後、アジャスターと中央のテンショナーの面が揃っていることを再度確認すること

③テンショナーのキャップを取り付ける

  • キャップにOリングが正しく装着されていることを確認。取り付け忘れやねじれがあるとオイル漏れの原因になるため注意
    ※劣化している場合は新品に交換すること
  • カムチェーンテンショナーキャップ(27mm)を規定トルクで締め付ける
    規定トルク:18Nm

※周辺のクリアランスが狭く、トルクレンチが使用できない場合があります。筆者は車載工具27mmレンチで固定したため、正確なトルク管理はできていません。可能な限り規定トルク(38N・m)で締め付けてください。

④最終確認

作業完了後は、以下の項目を確認してください。

  • カムチェーンテンショナーの中央ボルトとアジャスターの面が揃っている
  • テンショナーキャップ(27mm)・ロックナット(22mm)が規定トルクで締め付けられている
  • テンショナーキャップにOリングが正しく取り付けられている
  • テンショナーキャップ周辺からオイル漏れがない
  • エンジン始動後、異音が発生していない
  • エンジンを暖機した後もオイル漏れがないことを再度確認する

問題が無ければ、SR400のカムチェーンテンショナーの調整作業は完了です。

規定トルクまとめ

  • カムチェーンテンショナーキャップ:18Nm
  • カムチェーンアジャスターのロックナット:38Nm

まとめ

とうことで今回は、SR400ファイナルエディションのカムチェーンテンショナー調整手順について解説してきました。

SR400のカムチェーンテンショナー調整は、正しい手順で作業を行えば初心者でも対応しやすいメンテナンスです。定期的に調整を行い、カムチェーンの張りを適正な状態に保つことで、エンジン本来の性能を維持しやすくなり、異音の予防や始動性の改善にもつながります。

また、調整作業は特別な工具や高度な技術を必要としないため、日頃のメンテナンスとして取り入れやすい点も魅力です。バルブクリアランス(タペット)調整など、エンジン周りの点検を行うタイミングであわせて確認しておくと、より良いコンディションを維持しやすくなるでしょう。

愛車を長く快適に乗り続けるためにも、カムチェーンテンショナーの状態を定期的に点検・調整し、安心・安全なSRライフを楽しんでください。

それでは良きSRライフを。

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  • Oリング(93210-32172)
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ABOUT ME
torishira
北海道在住。2021年にSR400 Final Editionを新車購入し、現在は自家塗装によるマットブラック仕様で楽しんでいます。実際に検証したメンテナンス・カスタム情報を中心に、「片手でスマホを見ながらメンテできるブログ」を目指して発信しています。