【SR400】ヘッドライトの光軸調整方法|自宅でできる簡易的な確認・調整手順
皆さんこんにちは。
今回は、SR400ファイナルエディションのヘッドライト光軸を自宅で確認・調整する方法について解説していきます。
ヘッドライトの光軸は、ヘッドライトやヘッドライトステーの脱着・交換などによってずれることがあります。
光軸が上を向きすぎると対向車などを眩惑する原因となり、反対に下を向きすぎると夜間の視認性が低下します。
そこで本記事では、自宅でも比較的確保しやすい5m先にスクリーンを設置し、
- ハイビームで左右方向
- ロービームのカットオフラインで上下方向
を確認しながら、光軸を簡易的に調整する方法を紹介します。
※本記事では、2021年式SR400 Final Edition(RH16J)・純正H4ヘッドライトを使用して作業しています。
※今回紹介する方法は、あくまで自宅で行う簡易確認・予備調整です。車検の合否を判断するものではありません。
※車検前はテスター屋や整備工場などで、専用の前照灯試験機を使用した正確な測定・調整を行ってください。
※作業は自己責任となります。整備に自信のない方や初心者の方は、無理をせずショップへ依頼することをおすすめします。
SR400の光軸調整について

ヘッドライトの光軸とは、簡単にいうとヘッドライトが光を照らしている方向のことです。
SR400では、ヘッドライトに設けられた調整部によって、上下・左右の照射方向を調整できます。
通常は頻繁に調整する部分ではありませんが、
- ヘッドライトを脱着・交換した
- ヘッドライトステーを脱着・交換した
- ヘッドライト周辺を分解した
- ヘッドライトバルブを交換した
- 夜間走行で照射位置に違和感がある
- 車検前に大きな光軸ずれがないか確認したい
といった場合は、一度光軸を確認しておくと安心です。
ヘッドライトやヘッドライトステーの取り外し・取り付け方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【SR400】ヘッドライトステーの取り外し・取り付け方法 現在準備中…
今回は、白い紙やボードを光軸確認用のスクリーンとして使用し、5m先でハイビームとロービームの照射位置を確認していきます。
今回の光軸確認方法について

実際の車検では、専用の前照灯試験機(ヘッドライトテスター)を使用して、照射方向や光度などを測定します。
一方、本記事では自宅でも作業しやすく、照射位置を目視で確認しやすい距離として5mを採用します。
確認方法は以下のとおりです。
- 左右方向 → ハイビームの明るい部分
- 上下方向 → ロービームのカットオフライン
ハイビームは、5m先に照射された最も明るく見える部分と基準点を比較して、左右方向の大きなずれを確認します。
ロービームについては、NALTECの審査事務規程で示される照射方向の範囲を5m先へ換算すると、ヘッドライト中心高さから約10~75mm下方に相当します。
本記事では自宅での予備調整として、その中間付近となる約40mm下方をカットオフラインの目安とします。
※「5mで約10~75mm」「約40mm」は、NALTECが定めた5mでの検査基準ではなく、規程の角度から換算した参考値です。
※実際の車検では、ヘッドライト中心より右側の指定位置でカットオフラインを判定する方法があります。本記事では正面の基準点を使用するため、正式な検査方法とは異なります。
※今回の方法は、あくまで大きな光軸ずれを確認するための簡易確認・予備調整です。
ヘッドライトの光軸や車検時の詳しい規定については、NALTECの「審査事務規程」をご確認ください。↓
NALTEC「審査事務規程」
準備する工具・用品
工具・用品類
- トルクレンチ

- ドライバーソケット(+3番)

- プラスドライバー(+2番・+3番)


- スケール・メジャー

- マスキングテープ・ビニールテープ(スクリーンの基準点・基準線を作る際に使用)


- 空気圧計・空気入れ(光軸確認前のタイヤ空気圧点検に使用)

- パイプハンガーラックなど(スクリーン固定用)

- 白い紙や段ボール(スクリーン用)
関連部品
※部品を交換する場合は、年式・車両型式による適合を確認してください。
SR400の光軸確認・調整手順
ここからは、実際にヘッドライトの光軸を確認・調整していきます。
ヘッドライトの光が確認しやすいよう、夕方など周囲がある程度暗くなった時間帯に作業するのがおすすめです。
夜間は周囲への迷惑や転倒などの危険もあるため、安全な場所・時間帯で作業しましょう。
※今回の撮影場所には一部凹凸があるため、測定結果には誤差が含まれる可能性があります。できるだけ水平で平坦な場所を選び、車体とスクリーンを設置してください。
①タイヤの空気圧を確認する
まずは前後タイヤの空気圧を確認します。
タイヤの空気圧が規定値から外れると、車体姿勢や光軸に影響するため、作業前に適正値へ調整しておきましょう。
SR400のタイヤ空気圧規定値
| 乗車条件 | 前輪 | 後輪 |
| 1名乗車 | 175kPa | 200kPa |
| 2名乗車 | 200kPa | 225kPa |
- タイヤが冷えている状態(冷間時)で空気圧を測定する
1名乗車で確認するため、1名乗車時の規定値で測定・調整を行う。 - 規定値から外れている場合は、適正な空気圧へ調整してから作業を行う。
※筆者はマキタの充電式空気入れを使用して確認しています。
②ヘッドライト中心の高さを測る
SR400を平坦な場所で垂直に立て、地面からヘッドライト照明部中心までの高さを測定します。
乗車するとサスペンションが沈み込み、ヘッドライトの高さも変化するため、できれば実際に光軸を確認するときと同じ乗車状態で測定するのがおすすめです。
- 平坦な場所に車体を置く
- SR400にまたがり、車体を垂直にする
できれば実際に光軸を確認するときと同じ乗車状態にするとよい - 地面からヘッドライト中心までの高さを測る
筆者は車体にまたがって体重をかけ、地面に立てたスケールでヘッドライトボディの取付けボルト付近の高さを測定しました。正確に測る場合は補助者に依頼しましょう。
- 測定した数値を控えておく
筆者のSR400では、測定した高さは約915mmでした。
※この数値は筆者の車両で測定した参考値です。タイヤサイズなども純正から変更しているため、必ず自分の車両で測定してください。
③スクリーンを作成する

続いて、光軸を確認するためのスクリーンを作成します。
今回は、パイプハンガーラックに白い紙や段ボールを固定して使用しました。
- ハンガーラックなどに白い紙や段ボール等を固定する
- スクリーンが地面に対して垂直になるよう調整する
- 照射面に大きなシワや傾きがないことを確認する
垂直な壁がある場合は、紙やボードを直接貼り付けても構いません。平らな照射面を確保できれば、スクリーンの作り方は自由です。
④スクリーンに基準点を作る
作成したスクリーンに、光軸確認用の目印を付けます。
- ②で測定したヘッドライト中心と同じ高さに印を付ける
マスキングテープなどを使用して、基準点を作ります。
※筆者は地面から915mmの位置に印を付けました。
- 基準点から約40mm下にも印を付ける
ロービームの上下方向を確認するための目安です。マスキングテープなどで横線を作ると、カットオフラインの高さを比較しやすくなります。
今回の筆者の車両では、
| 目印 | 地面からの高さ |
| ヘッドライト中心の基準点 | 約915mm |
| ロービームの参考位置 | 約875mm |
となります。
※数値は筆者の車両での例です。実際には②で測定した高さを使用してください。
⑤車体と基準点の位置を合わせる

最初に車体をスクリーンへ近づけ、ヘッドライトと基準点の位置を合わせます。
- 車体を垂直にし、ハンドルを直進状態にする
- ヘッドライト中心の真正面に基準点が来るよう位置を合わせる
車体とスクリーンが正対していることを確認します。 - ハイビームを照射し、光の形状を確認する
筆者のファイナルエディションでは、ハイビームの照射形状がうっすらX字状に見え、中心を判断する参考になりました。
- ロービームに切り替え、カットオフラインの位置を確認する
至近距離では境界線が分かりにくい場合がありますが、照射された光の形状を確認しておきます。
ここでは光軸そのものを調整するのではなく、車体とスクリーンの位置関係を合わせ、照射形状を把握しておくことが目的です。
※ハイビームの中心やロービームのカットオフラインが、必ず基準点と一致するわけではありません。照射位置だけを頼りに車体の向きを決めず、ヘッドライト中心の真正面を基準にしてください。
⑥スクリーンから5m離れる
位置が決まったら、車体またはスクリーンをまっすぐ移動します。
- ヘッドライト照明部からスクリーンまで5mを測定する
スケールなどで距離を測り、必要に応じて地面に目印を付けます。 - 車体またはスクリーンを5mの位置までまっすぐ移動する
- 車体とスクリーンの位置関係を再確認する
次の項目を確認してください。- 地面が平坦である
- スクリーンが垂直である
- 車体とスクリーンが正対している
- ハンドルが直進状態になっている
- 車体が基準点の真正面から左右へずれていない
特に左右方向を確認する場合は、車体そのものが基準点から横へずれていると、光軸もずれて見えるため注意しましょう。
測定誤差を抑えるため、5mの距離と車体・スクリーンの位置関係をできるだけ正確に合わせましょう。
⑦車体を垂直にする
今回は、ライダーが乗車して車体を垂直にした状態で光軸を確認します。
サイドスタンドを使用した状態では車体が左側へ傾くため、そのままでは照射位置が変わってしまいます。
- SR400にまたがり、エンジンを始動する
- 通常の乗車時と同じように車体を垂直にし、体重をかける
両足でバランスを取る場合も、必要以上に踏ん張って車体を持ち上げないよう注意してください。 - ハンドルを直進状態にする
- 車体が左右へ傾いていないことを確認する
※転倒には十分注意してください。無理に一人で作業せず、必要に応じて補助者に支えてもらいましょう。
※今回の乗車状態は、実際の走行時に近い車体姿勢で確認するために採用した方法であり、車検時の前照灯検査条件を再現するものではありません。
⑧ハイビームで左右方向を確認する

ハイビームを点灯し、左右方向の光軸を確認します。
※バッテリー上がりを防ぐため、エンジンを始動した状態で確認してください。
- ハイビームを点灯する
- スクリーンに照射された明るい中心部分を確認する
※光の中心が分かりにくい場合は、ハンドルを少し左右に動かして確認し、最後は直進状態に戻しましょう。 - 光の中心と基準点の左右位置を比較する
5m先に照射された光を見て、最も明るく見える部分が左右どちらへ寄っているか確認します。 - 左右へ大きくずれていないか確認する
今回は最高光度点を正確に測定するのではなく、基準点に対して大きく左右へずれていないかを確認できればOKです。
左右方向が大きくずれている場合は、手順⑩で調整します。
⑨ロービームで上下方向を確認する

続いてロービームへ切り替え、カットオフラインの高さで上下方向を確認します。
カットオフラインとは、ロービームを照射した際に見える、明るい部分と暗い部分の境界線のことです。
※バッテリー上がりを防ぐため、エンジンを始動した状態で確認してください。
- ロービームを点灯し、カットオフラインを確認する
- スクリーンに付けた約40mm下の目印と比較する
本記事では、ヘッドライト中心高さより約40mm下を予備調整の参考位置とします。 - 極端に上向き・下向きになっていないか確認する
今回は、ヘッドライト中心より約40mm下方を予備調整の参考位置とします。
※実際の車検では右側の指定位置で判定するため、正面で確認する本記事の方法とは異なります。
カットオフラインは毎回同じ位置で比較し、大きくずれている場合は手順⑩で調整してください。
⑩光軸を調整する
照射位置が大きくずれている場合は、SR400の光軸調整部を使用して調整します。
上下方向の調整
上下方向は、ヘッドライトボディ右側のアジャスティングスクリューを使用します。
- ヘッドライトボディ右側のアジャスティングスクリュー(+3番)を緩める

- ヘッドライトを上下に動かして調整する

- おおよその位置が決まったら、スクリューを仮締めする

- ロービームを照射してカットオフラインを確認する

- 位置が決まったら、アジャスティングスクリュー(+3番)を規定トルクで締め付ける
規定トルク:7Nm
- 再度ロービームを照射し再確認する
左右方向の調整
左右方向は、ヘッドライトユニット右下のアジャスティングスクリューを使用します。
- ヘッドライトユニット右下のアジャスティングスクリュー(+2番)を確認する

- プラスドライバーで少しずつ回す

- ハイビームを照射し、基準点との左右位置を確認する

- 必要に応じて再調整する
一度に大きく動かさず、「少し調整 → 照射 → 確認」を繰り返すのがポイントです。
上下・左右の調整は互いの照射位置にも影響する場合があるため、調整後は両方を再確認しておきましょう。
⑪最終確認

調整が終わったら、最後に以下の項目を確認してください。
- タイヤの空気圧は適正か
- 車体は垂直になっているか
- ハンドルは直進状態か
- 車体とスクリーンが正対しているか
- ハイビームが左右へ大きくずれていないか
- ロービームが極端に上向き・下向きになっていないか
- ロービームの配光に明らかな異常がないか
- ヘッドライト本体にガタつきがないか
- 光軸調整部が確実に固定されているか
- ロービーム・ハイビームが正常に点灯するか
問題がなければ、自宅での簡易的なSR400の光軸確認・調整は完了です。
光軸を調整しても合わない場合
光軸を調整しても照射位置がおかしい場合は、光軸調整以外の原因も考えられます。
例えば、
- H4バルブが正しく取り付けられていない
- ヘッドライトユニットが正しく取り付けられていない
- ヘッドライト本体が正しく固定されていない
- ヘッドライトステーが曲がっている
- 社外ヘッドライトの配光が純正と異なる
- 車体が傾いている
- 測定場所そのものが傾斜している
なども考えられます。
特にバルブやヘッドライトを交換した直後に照射状態がおかしくなった場合は、取り付け状態を再確認してから光軸を調整しましょう。
また、照射方向に問題がなくても、光度不足などによって車検に適合しない可能性があります。
バルブやレンズ、リフレクターなどの状態も併せて確認しておきましょう。
まとめ

ということで今回は、SR400ファイナルエディションのヘッドライト光軸を自宅で簡易的に確認・調整する方法について解説しました。
今回の作業のポイントは、以下のとおりです。
- ヘッドライトから5m先にスクリーンを設置する
- ハイビームで左右方向のずれを確認する
- ロービームで上下方向のずれを確認する
- ロービームは、ヘッドライト中心高さより約40mm下方を予備調整の参考位置とする
- 必要に応じて光軸を調整する
ただし、今回紹介した方法はあくまで自宅で行う簡易確認・予備調整であり、この方法だけで車検に合格すると判断することはできません。
実際の車検では、専用の前照灯試験機(ヘッドライトテスター)を使用して、照射方向や光度などを測定します。
一方、自宅での確認では、
- 地面や車体の傾き
- スクリーンの傾き
- 測定距離の誤差
- サスペンションの沈み込み
- 目視による判断誤差
などが発生するため、車検と同じ精度で光軸を測定することは困難です。
そのため、今回の方法はヘッドライトやヘッドライトステーの脱着・交換後に、大きな光軸ずれがないか確認するための予備調整として活用してください。
特にユーザー車検を受ける場合は、事前にテスター屋や整備工場などで、前照灯試験機による正確な光軸・光度の測定と調整を行うことをおすすめします。
本記事が、SR400のヘッドライト整備やカスタムの参考になれば幸いです。
それでは良きSRライフを。
