SR400のステップダンパーを自作できないか調べてみた
SR400ステップダンパー自作計画 第1回
SR400の振動を少しでも軽減できないか――。
そんな疑問から、ステップ取付部に使用されているゴムダンパーの自作に挑戦することにしました。
今回の企画では、純正ダンパーの寸法や硬度の測定から始まり、材料選定、試作品の製作、実車テストまでを段階的に検証していく予定です。
第1回となる今回は、計画の概要と材料候補の調査結果を紹介します。
個人レベルでどこまで純正品に迫れるのか、あるいは純正以上の性能を実現できるのか。
実験・検証の記録として残していきますので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

皆さんこんにちは。
SR400は、単気筒エンジンならではのシンプルな構造を持つ一方で、振動が大きいという特徴があります。
振動が気になる箇所は人それぞれですが、筆者が特に辛いと感じるのは足へ伝わる振動です。エンジンに近い位置にあるためか、1日300kmほどツーリングした日には、布団に入った後も足に振動が残っているような感覚が続くことがあります。
こうした振動を少しでも抑えるため、ヤマハもさまざまな工夫を施しています。例えばステップラバーは、振動を吸収するためと思われる分厚い柱状のゴムが並んだ構造になっています。
さらに、ステップとフレームを接続する取付部のボルト周辺には、振動を抑制するためのゴムダンパーが装着されています。
今回、筆者が注目したのはこのステップ取付部のゴムダンパーです。
「このゴムダンパーの硬度を変更すれば、純正以上の防振効果を得られるのではないか?」
そんな疑問がきっかけとなり、ステップ取付部に使用されているゴムダンパーを自作できないか検討してみることにしました。
ステップダンパーとは?

SR400のステップはフレームへ直接固定されているわけではなく、その間にゴムダンパーが組み込まれています。
このゴムダンパーには、
- エンジン振動を吸収する
- ステップへの振動伝達を軽減する
- 取付部のガタつきを防ぐ
といった役割があります。
見た目は小さな部品ですが、ライダーが常に足を載せているステップの快適性を支える重要なパーツです。
特にSR400のような単気筒エンジン車では、こうした防振部品の性能が乗り心地へ大きく影響すると考えられます。
自作に使えそうな材料を調査

自作するにしても、まずは材料の候補がなければ話になりません。
一般的なゴム部品は金型と加硫設備を使用して製造されます。しかし個人レベルでそのような設備を用意するのは現実的ではありません。
そこで注目したのが、常温で硬化する二液性シリコーンゴムです。
今回調査していて気になったのが、信越シリコーンの「KE-1600」というRTVシリコーンゴムでした。
RTVシリコーンゴムとは、液体状態で型へ流し込み、常温で硬化させるタイプのシリコーンゴムです。
そのため、
- 比較的安価な型でも製作できる
- 複雑な形状を再現しやすい
- 個人でも加工しやすい
というメリットがあります。
カタログ上の主な特性は以下の通りです。
- ショアA硬度45
- 耐熱性良好
- 耐候性良好
さらに150℃で約30分の後硬化処理を行うことで、硬度がショアA70付近まで上昇するようです。
ステップダンパーはエンジン付近に取り付けられるため、耐熱性や耐候性も重要なポイントになります。
そのため、材料候補としてはかなり有望ではないかと考えました。
まずは純正品の硬度を測定してみる

しかし、ここで一つ問題があります。
それは「純正ダンパーがどの程度の硬さなのか分からない」ということです。
例えば純正品がショアA45前後であれば、KE-1600をそのまま使用できる可能性があります。
逆に純正品がショアA70以上であれば、別の材料を探した方がよいかもしれません。
つまり、自作を進める前に、まずは純正ダンパーの特性を把握する必要があります。
そこで今回、
- 新品の純正ステップダンパー(2J2-27414-01)
- ショアA硬度計
を購入しました。
まずは純正ダンパーの寸法や重量、硬度などを測定し、自作ダンパーを製作する際の基準データを集めてみようと思います。
ゴムは柔らかければ良いわけではない

防振部品というと「柔らかいほど振動を吸収できそう」と思いがちですが、実際にはそう単純ではありません。
柔らかすぎるとステップの位置が不安定になったり、操作時のフィーリングが悪化したりする可能性があります。
逆に硬すぎると振動が直接伝わりやすくなり、防振効果が低下する可能性があります。
そのため重要なのは、純正品を基準にしながら最適な硬度を探ることです。
まずは純正部品の特性を把握し、そのうえでシリコーンゴムによる再現や性能向上が可能なのか検証していきたいと思います。
今後の予定
今後は以下の流れで検証を進めていく予定です。
- 純正ダンパーの寸法測定・硬度測定・重量測定
- 測定結果をもとに材料選定
- 試験片を製作して硬度や特性を確認
- 純正形状に近い試作品を製作
- 実際に車体へ取り付けて走行テスト
- 振動の変化や耐久性を確認
実際に期待した効果が得られるかどうかはまだ分かりません。
しかし、純正部品の研究やゴム部品自作の実験としては非常に面白いテーマだと思っています。
もし純正以上の防振性能が得られれば、SR400の快適性向上につながるかもしれません。
純正ダンパーと硬度計はすでに注文済みですので、到着次第さっそく測定を行う予定です。
測定結果については別記事で詳しく紹介しますので、興味のある方はぜひ続報もご覧ください。