SR400純正ステップダンパーを調査|硬度・寸法・重量を測定してみた
第1回↓
目次
SR400ステップダンパー自作計画 第2回

SR400の振動を少しでも軽減できないか――。
そんな疑問から、ステップ取付部に使用されているゴムダンパーの自作に挑戦することにしました。
この企画では、純正ダンパーの調査から始まり、材料選定、試作品の製作、実車テストまでを段階的に検証していく予定です。
前回の記事では、SR400のステップ取付部に使用されているゴムダンパーの自作計画について紹介しました。
候補材料として信越シリコーンのKE-1600に注目し、その性能を純正品と比較するため、ショアA硬度計と新品の純正ステップダンパーを注文。
そして今回、ついに純正部品が到着しました。
第2回となる今回は、
- 硬度測定
- 寸法測定
- 重量測定
を実施し、自作ダンパー製作に向けた基準データを取得していきます。
純正品を測定する理由

ゴム部品の自作を行う際、最初に必要になるのが「目標値」です。
純正品がどのような硬度で、どのような寸法や重量を持っているのか分からなければ、再現も改良もできません。
例えば、防振性能を向上させようとして柔らかい材料を選んだとしても、純正品より極端に柔らかければ操作性や耐久性に問題が出る可能性があります。
逆に硬すぎる材料では、振動を十分に吸収できないかもしれません。
そこで今回は、注文していた新品純正ダンパーが到着したので、まずは純正部品そのものを調査してみることにしました。
ショアA硬度計で硬度測定

まずは硬度測定です。
測定誤差を少なくするため、複数回測定して平均値を求めました。
測定結果
- 60.5
- 61.5
- 63.0
- 60.0
- 61.5
- 63.0
- 59.0
- 58.0
平均値は、60.8Aという結果になりました。
当初は70A前後ではないかと予想していましたが、実際には想像していたより柔らかい数値です。
SR400は単気筒エンジン特有の振動が大きい車種です。
そのためヤマハも、防振性能を重視して比較的柔らかめの硬度を採用しているのかもしれません。
また、測定値のばらつきも小さく、品質管理もしっかりしている印象を受けました。
純正ダンパーの寸法測定

続いて寸法測定を行いました。
測定結果
- 全長:29mm
- 胴体径:20mm
- フランジ径:26mm
- 胴体長:23mm
- 穴径:12mm
- フランジ厚:3mm
実際に手に取って観察してみると、構造自体は非常にシンプルです。
上下対称形状になっており、複雑なアンダーカットもありません。
少なくとも形状面だけで見れば、自作の難易度はそれほど高くない印象を受けました。
もちろん実際には、寸法精度やゴムの収縮率なども考慮する必要がありますが、型の製作自体は十分現実的に思えます。
重量測定
重量についても測定してみました。
測定結果

8.78g
重量は地味なデータですが、意外と重要です。
同じ寸法でも材料の種類によって重量は変化します。
試作品製作時には、
- 純正と同等の重量になるか
- 材料変更による差が出るか
- 内部に気泡が発生していないか
などを確認する目安にもなります。
今後の比較データとして記録しておきます。
測定結果まとめ
今回測定した純正ダンパーのデータをまとめると、以下のようになりました。
| 項目 | 測定結果 |
| 硬度 | 60.8A |
| 重量 | 8.78g |
| 全長 | 29mm |
| 胴体径 | 20mm |
| フランジ径 | 26mm |
| 穴径 | 12mm |
| フランジ厚 | 3mm |
これで純正品の基本データが揃いました。
自作を進めるうえで、まずはスタート地点に立てたと言えるでしょう。
KE-1600との比較

現在候補としているKE-1600は、
- 常温硬化時:約45A
- 150℃×30分後硬化時:約70A
という特性を持っています。
今回測定した純正ダンパーの硬度は60.8Aでした。
つまり純正品の硬度は、KE-1600の常温硬化状態と後硬化状態のほぼ中間に位置することになります。
この結果を見た瞬間、
「意外と面白い結果になりそうだな」
という印象を受けました。
後硬化条件を調整することで、純正硬度に近づけられる可能性が見えてきたからです。
もちろん硬度だけで性能が決まるわけではありませんが、自作ダンパーの実現性は思っていたより高そうです。
KE-1600を注文

測定結果を踏まえたうえで、当初の予定通り信越シリコーンKE-1600をモノタロウで注文しました。
価格はなんと、
15,378円(1kg缶)
です。
正直なところ、
「ダンパー1個を作るには多すぎる量だな……」
という気持ちもあります。
しかし今後、
- 試験片製作
- 後硬化テスト
- 硬度違いの試作品製作
なども予定しているため、研究材料として考えれば必要経費と割り切ることにしました。
次回予告
現在はKE-1600の到着待ちです。
到着後は、
- テストピースの製作
- 硬度測定
- カタログ値との比較
- 後硬化による硬度変化の確認
を行う予定です。
果たしてカタログ通り45Aになるのか。
そして後硬化によってどこまで硬度が変化するのか。
次回はいよいよ実際にシリコーンゴムを使った実験へ進みます。
自作ステップダンパー計画が一歩前進しましたので、続報もぜひご覧ください。