【SR400】バッテリー脱着・点検・交換作業手順を解説
皆さんこんにちは。
今回は SR400ファイナルエディションのバッテリー脱着・点検・交換作業手順について解説していきます。
「SR400はキックスタートだから、バッテリーが上がってもエンジンをかけられる」と言われることがありますが、それは主に2000年以前のキャブレターモデルまでの話です。
SR400ファイナルエディションはFI(フューエルインジェクション)モデルのため、
- ECU
- 燃料ポンプ
- 点火装置
などが正常に作動する必要があります。
そのため、バッテリー電圧が著しく低下すると、
- 始動不良
- 燃料ポンプの作動不良
- アイドリング不調
などの原因になります。
また、SR400はセルモーターがないため、バッテリーの劣化に気付きにくいという特徴があります。多少消耗していてもエンジンが始動できる場合があるため、定期的な点検や充電を心がけましょう。
特に北海道の冬季保管後など、長期間乗らなかった場合は、走行前にバッテリーの状態を確認しておくと安心です。
今回は実際の作業写真を交えながら、バッテリーの脱着・点検・交換手順を分かりやすく紹介していきます。
SRメンテナンスの参考になれば幸いです。
なお、作業は自己責任となります。整備に不安のある方は、無理をせず販売店や整備工場へ依頼してください。
SR400バッテリーの規格・交換目安
SR400のバッテリー規格や脱着方法は、年式やモデルによって異なります。
本記事で解説する内容は、SR400ファイナルエディション(FIモデル)を基準としたものです。
純正バッテリー規格

SR400ファイナルエディション純正バッテリー:
GT4B-5(12V・2.5Ah) ※制御弁式(シールド型)AGMバッテリー
バッテリーを交換する際は、必ず同等規格または適合品を使用してください。
バッテリーの交換目安

バッテリーの交換目安は一般的に約3年程度とされています。ただし、実際の寿命は使用環境や乗り方によって大きく異なります。
週末のツーリングなどで十分に充電できている車両であれば、5年以上使用できる場合もあります。実際に、筆者のSR400ファイナルエディションは、新車購入から5年以上バッテリー交換をしませんでした。
一方で、片道5分程度の短距離走行を繰り返すような場合は充電が不足し、2年程度で交換が必要になることもあります。
バッテリーは使用年数だけで判断せず、定期的な点検や電圧測定を行い、状態を確認しながら使用しましょう。
また、以下のような症状が見られる場合は、バッテリーの交換を検討しましょう。
- エンジンの始動性が悪くなった
- ヘッドライトが暗く感じる
- ホーンの音が弱い
- バッテリー電圧が低下しやすい
- 充電してもすぐに電圧が下がる
FIモデルのSR400は、バッテリー電圧が低下すると燃料ポンプやECUが正常に作動せず、キックスタートでも始動できなくなる場合があります。
そのため、定期的な電圧測定や充電を行い、早めの点検・交換を心がけましょう。
準備する工具・用品
工具・用品類
- トルクレンチ

- ラチェットレンチ
ソケット(12mm)
- レンチ(12mm)

- バイク用バッテリー充電器12V用

- 電圧テスター

- 接点クリーナー・綿棒・細かいヤスリ(端子部のさび落としに使用)

- グローブ

- ウエス(汚れ対策)
ケミカル類
関連部品
- バッテリーGT4B 12V-2.5AH(90793-26101)
Amazon 楽天 Yahoo - 固定バンド(7H3-82131-00)
楽天 Yahoo - ハーネスクランプ(90464-13185)
楽天 Yahoo
SR400バッテリーの取り外し作業手順
①キーをOFFにする
- 作業前に、メインキーおよび電装品がすべてOFFになっていることを確認する
※通電状態で作業を行うと、故障やトラブルの原因となるため注意
②センタースタンドで車体を安定させる
- 平坦で安定した場所に車体を設置し、センタースタンドを使用して車体を安定させる

③シートを取り外す
- シート固定ボルト(12mm)×2本を外し、シートを取り外す


- 詳しいシートの脱着方法については別記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。↓
④バッテリーを取り外す

※注意 SR400ファイナルエディションの純正バッテリーは専用カプラーによる接続のため、一般的なバイクのようなプラス・マイナス端子の脱着作業はありません。
ただし、作業中は工具や金属部品を端子部へ接触させないよう注意してください。
- バッテリー固定バンドを取り外す
固定バンド両端の金具を外し、バッテリーの固定を解除する
※バンドに劣化やひび割れ、伸びなどが見られる場合は新品への交換を推奨します。

- ハーネスを固定しているクランプを解除し、配線をフリーにする
※クランプは両面テープで固定されています。紛失や破損、両面テープの剥がれがある場合は新品への交換を推奨します。

- バッテリーカプラーをまっすぐ引き抜く



- 最後にバッテリー本体を車体から取り外す


これでSR400バッテリーの取り外し完了です。
SR400バッテリーの状態点検・交換
① 車体側を点検する
バッテリーを取り外したら、まずは車体側の状態を確認しましょう。
カプラー・配線の点検

以下の異常がないか確認します。
- カプラーの破損
- 端子の腐食
- 配線の損傷や断線
軽度の腐食や汚れが見られる場合は、接点クリーナーなどで清掃を行う。
重度の腐食やカプラーの破損や配線の断線・損傷が見られる場合は、接触不良や走行トラブルの原因となるため、部品交換または販売店への相談を推奨します。
バッテリーボックス内の点検

以下の項目を確認します。
- 土やホコリなどの汚れ
- 水分の滞留
- サビの有無
汚れが見られる場合は、清掃を行いましょう。
② バッテリー本体を点検する
バッテリーケースの点検

バッテリーケースに以下の異常がないか確認する。
- バッテリーケースの膨らみ
- ケースのひび割れ・破損
- 液漏れ
異常が見られる場合は、新品バッテリーへの交換を推奨します。
バッテリーターミナルの点検

以下の項目を確認します。
- サビ
- 腐食
- 汚れ

汚れが見られる場合は、ワイヤーブラシや細かいヤスリ、サンドペーパーなどで清掃を行いましょう。
③ バッテリー電圧を測定する

テスターを使用してバッテリー電圧を測定します。
※エンジン停止後、数時間経過した状態で測定するのが理想です。充電直後は実際より高い電圧が表示される場合があります。
※テスターの取扱説明書をよく読み、正しい方法で測定すること。
| 電圧 | 状態 |
|---|---|
| 12.8V以上 | 良好 |
| 12.6V前後 | ほぼ正常 |
| 12.4V前後 | 充電推奨 |
| 12.2V以下 | 要充電 |
| 12.0V以下 | かなり放電 |
| 11V台 | 劣化の可能性大 |
④ バッテリーを充電する

電圧が低い場合は、充電を行ってから再度電圧を測定しましょう。
SR400ファイナルエディション純正のGT4B-5は、12V・AGM(制御弁式シールド)バッテリーです。充電器は、以下の条件を満たす製品を使用しましょう。
- 12Vバイク用対応
- AGM(シールド型)対応
- 自動充電停止機能付き
※AGM非対応や手動式の充電器でも充電できる場合がありますが、過充電や充電不足によりバッテリー寿命を縮める恐れがあります。
充電後に12.6~12.8V程度まで回復し、その状態を維持できるようであれば、引き続き使用できる可能性があります。
一方で、次のような症状が見られる場合は、バッテリー内部が劣化している可能性が高いため、新品への交換を推奨します。
- 充電しても電圧が回復しない
- 充電後、数日で再び電圧が大きく低下する
⑤ バッテリーの交換を検討する

バッテリーは電圧が正常でも、内部劣化によって始動性能が低下している場合があります。
以下のような症状が見られる場合は、交換を検討しましょう。
- エンジンが掛かりにくい
- 燃料ポンプの作動音が弱い
- ヘッドライトが暗い
- ホーンの音が弱い
- ウインカーの点滅が遅い
SR400ファイナルエディションはFI車のため、バッテリー電圧が低下すると、ECUや燃料ポンプが正常に作動せず、キックスタートでも始動できなくなる場合があります。
⑥ 新品バッテリーを点検・充電する

新品のバッテリーを購入した場合でも、そのまま取り付けるのではなく、事前に状態を確認しておきましょう。
- バッテリー電圧を測定する
- 必要に応じて充電を行う
バッテリーメーカーの取扱説明書でも、より快適な始動性能を得るため、使用前の補充電を推奨している場合があります。

特に、電圧が12.4V未満の場合は、充電してから使用することをおすすめします。
⑦ 判断に迷った場合は専門店で診断する

バッテリーの内部劣化は、電圧測定だけでは正確に判断できない場合があります。
交換するか迷った場合は、バイクショップやバイク用品店でCCA(始動性能)や内部抵抗を測定できる専用テスターによる診断を受けるのがおすすめです。
電圧が正常でも、始動性能が低下しているケースもあるため、長期間使用しているバッテリーは一度点検してもらうと安心です。
SR400バッテリーの取り付け作業手順
①バッテリーターミナルにグリスを塗布
- 防錆・防食のため、バッテリーターミナルにターミナルグリスを薄く塗布する。
※シリコングリスでも代用可能ですが、絶縁性があるため、薄く塗布してください。
②バッテリーを取り付ける
- バッテリー接続カプラーを確実に接続する
※ツメが「カチッ」とロックされるまでしっかり差し込むこと。


- バッテリーを所定の位置へセットする

- ハーネスをクランプで固定し、元の取り回しに戻す


- バッテリー固定バンドを取り付け、両端の金具を確実に引っ掛けて固定する
※再度カプラーの接続忘れや、ハーネスの挟み込みがないことを確認する。


③シートを取り付ける
- シート前方のツメをフレームへ差し込み、所定の位置へセットする
※グラブバーやカウルを傷付けないよう注意する
- シート固定ボルト(12mm)2本を取り付け、規定トルクで締め付ける
規定トルク:16Nm

- シートの脱着方法については別記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。↓
④最終確認

メインキーをONにし、以下の項目を確認する。
- ニュートラルランプが点灯する
- ヘッドライトが正常に点灯する
- ウインカーが正常に作動する
- ホーンが正常に鳴る
- エンジンが正常に始動する
- シートに座って浮きやガタつきがないか確認
確認後、忘れずにキーをOFFにすること。
異常が無ければ、SR400バッテリーの取付け作業完了です。
使用済みバッテリーの処分方法

使用済みバッテリーは、鉛や電解液を含むため、一般ごみとして処分できない場合がほとんどです。
最も一般的な処分方法は、新しいバッテリーを購入した販売店やバイクショップ、バイク用品店で引き取ってもらう方法です。バッテリー交換と同時に古いバッテリーを持参すれば、その場で回収してもらえる場合が多いため、手間なく処分できます。
なお、店舗によっては回収が有料の場合や、購入者のみを対象としている場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
また、自治体によって回収方法は異なります。販売店で回収できない場合は、お住まいの自治体の案内に従って適切に処分してください。
まとめ

ということで今回は、 SR400ファイナルエディションのバッテリー脱着・点検・交換作業手順について解説してきました。
SR400はキックスタート車ですが、FI(フューエルインジェクション)モデルのため、ECUや燃料ポンプなどの電装系を正常に作動させるために、バッテリーは非常に重要な役割を担っています。
バッテリーは消耗品であり、使用環境によって寿命は大きく異なります。交換目安の年数だけで判断するのではなく、定期的に電圧測定や状態点検を行い、必要に応じて充電や交換を行うことが大切です。
また、バッテリーは突然性能が低下することもあるため、長期間使用している場合は、ツーリング前や冬季保管前などのタイミングで点検しておくと安心です。
あくまでも作業は自己責任となります。定期的な点検・メンテナンスを心がけ、トラブルのない快適なSRライフを楽しみましょう。
それでは、良きSRライフを。
関連商品・部品
- バイク用バッテリー充電器12V用
- 電圧テスター
- バッテリーGT4B 12V-2.5AH(90793-26101)
- 固定バンド(7H3-82131-00)
- ハーネスクランプ(90464-13185)


